コンテンツ実務ガイド

Excelの一覧からWord書類を一括作成するには|差し込み印刷と追加自動化の選び方

開催日と会場を、参加案内や社内用の手配書へコピーする。会場が変われば、書類を一つずつ開いて直し、古い表記が残っていないか確認する。同じ情報を何度も転記しているなら、Excelの一覧を元にWord書類を作る方法を試せます。

最初にするのは、使われていない書類を作成対象から外し、必要な完成書類をそろえることです。そのうえで共通の入力項目を決め、同じひな形への差し替えは標準の差し込み印刷から試します。複数のひな形を順に使う処理や、指定した名前での個別保存まで必要なら、試した後に残る作業を追加自動化の候補にします。

Excelの一覧からWord書類を作成する方法。必要な書類をそろえ、差し込み印刷で試してから追加自動化の範囲を選ぶ。

まず、今回も必要な書類を残す

過去のフォルダーに入っている書類を、すべて自動作成の対象にする必要はありません。今も誰かに渡している書類、確認に使っている書類を残し、使われていない控えや重複した出力は外します。

残した書類について、使ってよい文面とレイアウトが確認された見本を用意します。毎回変わる日付や会場と、固定する説明文を見分けられる状態にしてください。ひな形ごとに日付の書き方が違うなら、その違いを残すのか、表記をそろえるのかもここで決めます。

完成時に必要なのが、まとめて確認できる文書なのか、送付先や用途ごとに分けたWordファイルなのかで、試す範囲は変わります。ファイルを分けるなら、その名前まで先に書き出しておきます。

研修2回分から、4つのWordファイルを作る例

以下は説明用の架空例です。2回の研修について、各回の参加者に共通配布する「参加案内」と、社内用の「手配書」を1ファイルずつ作る想定です。参加者ごとの個別文書は作りません。

Excelでは1行を1回の研修とし、研修ID、開催日、会場、集合時刻、設営時刻を別々の列に入れます。

  • A01:10月6日、第1研修室。集合は9:45、設営開始は9:00。
  • A02:10月13日、第2研修室。集合は13:15、設営開始は12:30。

日付と会場は同じ行から両方の書類へ反映し、集合時刻と設営時刻は、それぞれ必要な書類だけに使います。この例では、入力不足や名前の重複を次のように扱うことにします。

項目の使い方入力・指定する内容空欄や重複があったとき
両方の書類に共通開催日、会場その回の2書類を保留する
参加案内だけで使う集合時刻その回の参加案内を保留する
手配書だけで使う設営時刻その回の手配書を保留する
出力する書類を区別する研修IDと書類の種類IDが空欄、または同じ出力先で名前が重複する場合は、作成を止めて確認する

すべての入力がそろったときに必要な出力は、2回×2種類で次の4ファイルです。

  • A01_参加案内.docx:10月6日、第1研修室、集合9:45
  • A01_手配書.docx:10月6日、第1研修室、設営開始9:00
  • A02_参加案内.docx:10月13日、第2研修室、集合13:15
  • A02_手配書.docx:10月13日、第2研修室、設営開始12:30

研修IDは日付や会場が変わっても同じものを使い、書類の種類と組み合わせて名前を付けます。同名ファイルがある場合に、確認せず上書きする運用は避けます。

入力不足の行は、何が足りず、どの書類を作らなかったのかを一覧に残してください。ファイルの総数だけでなく、この4つの名前と照合すれば、同じ書類を重複して作り、別の書類が欠けている状態も区別できます。

同じひな形なら、差し込み印刷から試す

Wordの差し込み印刷では、適切に書式を整えて1枚のシートにまとめたExcelのデータを、差し込み元として使えます。(Microsoft公式ヘルプ)

同じ文面の中で日付や会場を入れ替える用途なら、まず参加案内のひな形だけを使い、A01とA02の入力で試します。Word側の差し替え箇所をExcelの列に対応させ、できた文書を完成見本と比べます。日付の表示、時刻、改行、ページの区切りまで確認してください。具体的な画面や操作は、使っているWordのバージョンによって異なります。

参加案内を確認できたら、手配書でも同じように試します。ひな形ごとに作成する手順で支障がなく、保存時の手作業も許容できるなら、そこで運用を始める選択があります。

ただし、文面への差し込みを確認できた時点で、想定した4つの個別ファイルまでそろうとは限りません。文書の分け方と名前の付け方も実際に試し、最後に何を手作業で行ったかを記録します。

追加で自動化するのは、試した後に残る作業

複数のひな形を順に開く、対象の行を選ぶ、書類ごとに名前を付けて保存する。こうした作業が残る場合は、何をどこまで自動化したいかを具体的に書けます。

たとえば、文面は期待どおりに作れるのに、毎回ファイルを分けて名前を直しているなら、まずその部分を追加自動化の候補にします。ひな形が複数あるという理由だけで、新しいシステム全体を作る必要はありません。

すでに使っているシステムの帳票機能や帳票作成製品を確認する場合も、ExcelとWordを扱うVBAなどの限定的な自動化を比較する場合も、同じ入力と完成見本を使います。指定の文面で出せるかに加え、個別ファイル名、入力不足の扱い、修正後の作り直しまで試してください。どの機能や製品でも満たせるとは決めつけず、残る手作業を確かめます。

自動化の範囲には、ひな形を変えたときに誰が直すかも含めます。文面の修正だけで済むのか、処理の修正が要るのかを、実際に保守する人と確認しておきます。

修正は元の入力に戻し、別の版として作り直す

A02の会場が第2研修室から第3研修室に変わったとします。直すのはExcelのA02行にある会場です。固定の説明文を変えるなら、元のWordひな形を直します。生成済みの書類を一つずつ追いかけて修正する運用は避けます。

この例では、4ファイルを一組として作り直すことにします。前回の確認済みファイルを別フォルダーに保管し、新しい版のフォルダーへ出力します。使った入力表とひな形も版ごとに残せば、前回何を元に作ったかを確認できます。

新しいフォルダーで4つのファイル名がそろっているか照合し、A02の参加案内と手配書では会場が第3研修室に変わったかを確認します。A01の2書類や、変更対象でない日付と時刻に意図しない変更がないかも見ます。確認前の版を、配布用のファイルと混ぜないようにしてください。

生成後のWordに直接追記している場合は、その追記をどう残すかを先に決めます。再作成すると、追記が新しい版へ引き継がれないことがあります。繰り返し必要な追記は入力表やひな形へ戻し、個別に残す文章は再反映する担当と箇所を記録します。手直しの扱いを決める前に、一括で作り直さないようにします。

手元の書類で、作成と修正を一度ずつ試す

試すときは、元になるExcelの一覧、内容を確認済みのWordひな形、必要な出力ファイルの一覧をそろえます。さらに、会場変更のような修正例を一つ用意してください。

最初の作成で必要な書類がそろい、修正後も同じ組み合わせで正しく作り直せるか。そこまで試せば、標準機能で続けられる範囲と、追加で任せたい作業を、同じ完成条件で比べられます。